旅のしおり
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Author:シュンちゃん
還暦。思えば遠くに来たもんだ。人の命はいつか必ず果てる。生きる軸足である山のほか、本にしおり挟むよに、趣くまま時折生きし証ここにつづる。齢ゆく者のボケ防止備忘録ブログです。適当におつきあいください。
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読了 「菊月夜」 – 20170929(金)

菊月夜 -20170929

山本周五郎 「菊月夜」 読了。 
秋らしいタイトルに惹かれ読んでみた次第(笑)
昭和九年から二十三年に発表されたもの、
表題含め十の話し(一つだけ中篇)が収められている、
その中篇以外はさくさくっと読める。

戦前戦中そして戦後間もない頃に著された作品群だけに、
価値観180度逆転すると云ったことモチーフにしてる作品が印象的でした。

時代もんの表紙はジャパニーズで好きなのですが、
これなども、やわらかな上品さがあって、お気に入りです。

余談ですが、生業が山中の温泉旅館の番人だからでしょう、
オフはどうもインな本読みや近所のスーパー徘徊が多いこの頃です。

以下私的メモ
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■其角と山賊と殿様 …昭和九年二月 「キング」
  大名の為には俳諧をせぬという一徹で酒好きな其角が体験するこわ~い話し。
  「霜を見る蛙は百舌の沓手かな」

■柿 …昭和十四年二月 「現代」
  亡き父の思い大事にし自分の出世棒に振るどころか左遷されし辰之助。
  そのような思いに翻弄誤解する兵馬、小房兄妹。熟柿がつなぐ二人の仲。

■花宵 …昭和十七年四月 「少女の友」
  兄弟、清之助と英三郎。ふたりへの母の扱い方が違う。 一人が継の子一人が実子。  

■おもかげ …昭和十八年七月 「少女の友」
  七歳で母を亡くした正之助。自分の良縁を諦めてまでそれを育てる叔母。
  武士として。 叔母の思い。

■菊月夜 …昭和十九年十月 「講談雑誌」
  松谷権太夫が娘小房という許嫁がありながら、疋田家の婿にとの話しがでる信三郎。
  そこに秘められた訳真相とは。そして出家する小房。せつない。仇討ちの物語。
  「ああ、月が出た」

■一領一筋 …昭和二十一年九月刊収録 『菊月夜』
  内田覚右衛門の部屋住み息子三男の圭之助は、文武双方に優れ、婿入り先も十二からあるという超人気。それが自ら希望し癇癪持ちで名高い鴨部五郎左衛門の家に婿入り。鎧一領槍一筋、泰平の世に武士とはどう生きるべきなのか。終わりはユーモラス。

■蜆谷 …昭和二十二年三月 「新読物」
  慶長五年領主石田三成一代の合戦があるため、心ある者は陣へ参って働くようにとの布令に蜆谷から他の二人とともに出た弥之助。負け戦で蜆谷の村に帰ると英雄視し送り出した村人の態度は一変。冷たくあしらわれる。母は田畑売り果たしやつれ、嫁して四十日だった妻は離縁され実家に帰っていた。吟味所でのお裁きや如何に。そして村に帰った弥之助、お八重。村人たちに語りかけ始めた。

■忍術千一夜 …昭和二十三年二、五、六月 「新物語」 ※400字詰め原稿用紙150枚ほどの中篇
  よくわかんな~い!(^^; ふしぎちゃんな話し。飛騨の国保良郡吹矢村、主人公八百助、極悪なる下男出来六。洞瀬山曾古津様(曾古津神社)。権右衛門(ごんえむ)、娘おせん、酒と博打の好きな道楽息子二人、成木持助(大阪の大きな材木問屋の次男)。悪役人蓑賀参蔵、お杉姐さんに、権頭、中将、杢。難しい漢字言い回し多いものの、講釈師語りかけるよな出くわしたことのない文体文字の息継ぎ表現。醜態に生まれし男の、冷たい村人たち、悪行重ねる役人商人たちへの復讐物語。破天荒ダイナミックな筋書き。最初とても読みづらかったが、気づけばファンタジックワールドへ入り込んだような、そんな物語。登場する人物、地名もなかなかナイス。「忍術千一夜」というタイトルが凡人な私には今一つピンと来ない。第一話「艶妖記」、第二話「三悪人物語」からなる、本書唯一の中篇もの。

■留めさんとその女 …昭和十年九月 「アサヒグラフ」
  三十八になる水夫で純な男留さん。倹約家で酒は一合、あとはもらい酒決め込むと云う徹底ぶり。そうくれば世の中お決まり。金が出てく何かができる。で女にハマる。もう三十八だし。幾人かに逃げられそしてまた女ができた。よくあるウブな男と百戦錬磨な女との話し。「てけてんてん、すててんてん」「おらあも、そろそろひと花咲かしてもいい頃だなあ」。時代物のような現代もののような、超短篇。

■蛮人 …昭和十一年八月 「アサヒグラフ」
  石灰工場で働く七人…男四人とその妻たち三人。
  そこで事件が。人が最後にゆきつくような場所での乾いた切なく悲しい話し。
  これも時代もののような現代もののような、超短篇。


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