旅のしおり
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Author:シュンちゃん
還暦。思えば遠くに来たもんだ。人の命はいつか必ず果てる。生きる軸足である山のほか、本にしおり挟むよに、趣くまま時折生きし証ここにつづる。齢ゆく者のボケ防止備忘録ブログです。適当におつきあいください。
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読了 「おごそかな渇き」 – 20170815 (火)

おごそかな渇き -20170815(火)

山本周五郎 「おごそかな渇き」 読了。 表題含め十の話しが収められている。
表題作が唯一現代ものであり、周五郎の絶筆、未完成作品となりました。

お気に入りは「かあちゃん」、「紅梅月毛」、 「野分」、「もののけ」ですが、
どれも幕内上位レベルすばらしい、
それぞれにそれぞれの味わい、読み応えがありました。

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■「蕭々十三年」(武家)…ぬけ駆けの功名良しとせずで役を解かれて十三年、
                 爆発寸前の蔵に人壁となり黒焦げ命落としながら大惨事を
                 防ぐことにより主君に尽くす。

■「紅梅月毛」(武家)…五年前関ヶ原の戦で名を上げしも生き別れになった名馬と再会。
               その老いたる月毛と御前の馬場で再び名を上げる。

■「野分」(武家)…落胤の身から世継ぎにという定めに、武士を捨て町女をもらい
            さっぱり町人として生きてゆきたいと願うが、、、という男の話し。

■「雨あがる」(武家)…文武双方に稀に秀でたるものの何故か仕官の道に縁遠い、
               今の世にもいるいるな性格悲劇的物語。

■「かあちゃん」(市井)…貧乏人同士は隣近所が親類助け合わなければ生きてゆけない、
                 そんな中長屋連中に冷たく当たりながら、五人の子と共に稼ぎまくり
                 貯め込む女お勝、そこに盗人に入る食いつなげない若者。
                 盗人に入った若者とお勝一家、そして稼ぎまくる裏にある事情とは。
                 無償の奉仕の物語。
                 話しが分かり易く、さっぱり江戸っ子気質が小気味良い。そして泣ける。

■「将監さまの細みち」(市井)…病身を口実に甲斐性なし怠け者な夫と幼子を抱えた女が
                     岡場所に身を売り何とか生きている。
                     そんな夫婦と幼馴染の男との物語。

■「鶴は帰りぬ」(市井)…飛脚と宿場の女の話し。 恋慣れない初々しい男女の物語を、
                世話焼き大年増が、語りべになって語るというスタイルが珍しい。

■「あだこ」(武家)…あることをきっかけに生きる力を無くした武士と
            そこに転がり込む様に現れた下女との心温まる話し。メルヘン喜劇といった作品。

■「もののけ」(武家)…京から因幡の国へもののけ退治にやってきた検非違使たちが
               もののけに次々殺められてゆく。竜宮城的で幻想的な物語。

■「おごそかな渇き」(現代もの)…周五郎の絶筆となった作品。 未完作。 舞台は昭和36年。
                      宗教的哲学的。「現代の聖書」を描きたい、と云うのが
                      この「おごそかな渇き」に賭けた山本周五郎の抱負だったという。
                      未完と云うこともあり読後すっきりしない。



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