旅のしおり
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Author:シュンちゃん
還暦。思えば遠くに来たもんだ。人の命はいつか必ず果てる。生きる軸足である山のほか、本にしおり挟むよに、趣くまま時折生きし証ここにつづる。齢ゆく者のボケ防止備忘録ブログです。適当におつきあいください。
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読了 「人情裏長屋」 – 2017.6.12(月)

人情裏長屋 - 20170612(月)

山本周五郎 「人情裏長屋」 読了。 
十一の話しが収められている(ふたつは現代もの)。
いやはや前回の 「人情武士道」 超える面白さ
周五郎すばらしい!! ブラボー、久々酔読、しびれました(#^^#)

烏賊乾燥、、、えっ!?すみません調子乗りすぎ~あまりにも良かったもので(一一")
以下感想、概要ほか備忘録。 一話読み終えるごとの走り書きをそのまま掲載。 
文章になっておらずな、あくまで自分の記憶後で蘇らせるためのメモ公開。

1.おもかげ抄 … 「キング」昭和12年7月号
   鎌田孫次郎という浪人、椙江。 三年以前浪々の貧中死なせてしまう。
   すでに居ない妻めがあたかもいるようにふるまう。
   長屋で寺子屋。これが評判良ろし。
   果し合いがあり加勢、その剣の腕見込まれる。
   沖田源左衛門娘が小房(こふさ) 二百石で召抱えの話し
   紀州高野へ行き遠州浜松に帰り祝言と相成る めでたしめでたし。

2.三年目 … 「雄弁」昭和16年8月号
   友吉…上方帰り …江戸では広田屋伊兵衛という大工の棟梁の下にいた。
   子飼いからずば抜けた腕を発揮し17で一人前の手間取りに。
   日に四匁稼ぐ職人は百人に一人。友吉がそれ。だが、
   唯一の瑕は慰みをすることと死に際の親方から。で上方へ。
   三年も足を抜きゃ仲間とも縁が切れると。
   その際、一時店を畳み八丁堀の角の家へお菊を預けた。
   角太郎 …江戸大工時代の弟分
   お菊 …伊兵衛の一人娘 …伊兵衛は友吉を婿に取り盛り返そうと思っていた。
   仁太郎 …親方筋に当る大工の棟梁堀家の息子=道楽者 ばったり会う。
   広田屋伊兵衛は、仁太郎の父に借金があった
   それを枷に、仁太郎はお菊を妾にしようとした。
   友吉が上方から帰って広田屋を盛り返すためには堀家と喧嘩はできねぇ。
   なので角はお菊と相談の上二人が夫婦になったと見せかけることに。さてさて。
   「ざっと風呂をあびて、さっぱりした躰に浴衣を引掛け、堀の見える二階の小座敷
   で仁太郎と盃を取り合った」…表現がさっぱりしてて粋。
   深川八幡様裏で角太郎とお菊が所帯もってると、八幡前小料理屋でお米から聞く
   三年前、友吉22、角太郎23、お菊・・・18  
   「二人の涙の温かさが、二人の間にあった三年の月日をいっぺんに取り戻した。
   天明元年(1781年)七月二十二日の夜のことであった」

3.風流化物屋敷 … 「講談雑誌」昭和22年10月号
   安芸の国広島の城下町それも武家町にある一軒の化物屋敷「柘榴屋敷」に、
   一万二千石の御家老の三男、御座(みくら)平之助という若侍27歳が入った。
   夜中案の定化け物出るが、動じる事なくグーグー、あまりにもしつこいもので、
   仕舞いにゃ「なんだか知らないが昼間のことにしてくれ、眠くってしょうがありゃしない」と。
   まったく風流極まりなき住まわり方、あっぱれなり。
   これは、自然現象に対する冒瀆であり、神秘への最大の侮辱でもあるわけだし、
   気の毒なのは化け物氏であってこれじゃ立場がない。
   そんなこんなな化け物話続くが、実はこの屋敷慰み場として使われていた。   
   生垣境に隣りに住まう娘齢17なるとみ嬢とのやり取りもなかなかな読みどころ。
   
4.人情裏長屋 … 「講談雑誌」昭和23年7月号
   一、おちぶれて来る人の寄り場所
      松村信兵衛 …大酒呑み → 居酒屋丸源、角の三河屋(小僧の定吉)
       … 一方こんないいヤツいるだろかっていういい人
      長屋16軒の内沖石入れ6軒の店賃を払っている。それに呑み代
      御大身の息子だとか大名の御落胤という噂はあるが、
      ?は収入は何処から得ているのか?という点。
      ※居酒屋に見かけない高飛車な客が入ってきた時「ここは居酒屋といって
       地道に稼いだ人間が汗の匂いのする金でうちわにつつめしく飲む処だぜ、
       済みません場違いですがお仲間に入れて下さい」と云って、人をみくだしたり、
       金をひけらかしたりする人間には容赦をしないところがある。 
      夜鷹そば屋の重助57、孫娘おぶん18 
      沖石主殿(とのも)…25,6。浪人した上に妻に死なれ乳飲み子抱え長屋に。
   二、相手を立てて、それからの沙汰
      道場破り的所業にて日々の身を立てている信兵衛
      相手をやり込め寸での処で相手を奉る方
      折笠五郎左衛門道場で仕官なさらぬか御推挙するからと云われる。
      この時点では出世欲ナシ。主殿の世に出たいという話を聞き
      ふん、とため息。「おい定公、桝で一升だ」と。
   三、不幸は友を伴れて来る故事
      主殿、九か月の乳飲み子鶴之助を置き捨て出てゆく
      信兵衛は自分で育てることを心に決め酒を断つ。
      重助、折笠五郎左衛門道場前で門人たちにただ食いされた上屋台車打ち壊され
      足腰踏み折られた。
      沖石主殿の身勝手なやり方、その日稼ぎの無力な老人に対する非道。
      この二つが重なり信兵衛は抑えようのない怒りに全身が震えた。
      夜鷹蕎麦屋を始め、折笠五郎左衛門道場前へゆく。
   四、蕎麦は夜泣きの子も育つなり
      折笠五郎左衛門門人たちが、見舞いの金品を持って長屋を訪れ、
      代わる代わる重助の枕許で謝罪した。
      信兵衛三河屋へも丸源へも顔出さず、鶴之助を育て夜鷹蕎麦屋を続ける。
      折笠五郎左衛門が仕官せぬかと再三勧めるが、
      「しょせん世の中は阿諛追従、弁口頓才が第一、と断る。
      裃袴で人の機嫌を取るより、夜鷹蕎麦を売る渡世が気楽」だと断り続ける。
      鶴之助はおぶんが抱くとすぐにおとなしくなる。
      抱き上げるなり襟へ手を入れ乳房を握らせるから。
      「今からそういうもので誘惑しては将来が思いやられる、止めてもらおう」
      との信兵衛に対し、
      「今からって先生、赤ん坊だからお乳でだますんじゃありませんか。
      これが誘惑なら世界中の赤ちゃんはみんな誘惑されてるわけよ」と返すおぶん。
      こうして更に月日が経っていった。
   五、またたちかえるみな月の宵
      松平出雲家に百五十石書院番として召し抱えられた沖石主殿が帰ってきた。
      預けた鶴之助と一緒に松江にゆくと。
      己のため子を捨て身を立てるとはなんと不人情な奴だろうと最初思ったが、
      子共々この長屋にいては何も始まらなかったはず。
      「男はきめどこはきめなければならない」
      そう信兵衛は考え直し鶴之助を返すことにした。
      早朝別れがつらく「おい定公、桝で一升だ」と丸善へ。
      武士は武士で生きるのが本当と、館林家で食禄二百石、
      剣法師範となることを重助とおぶんに話し、おぶんを嫁にくれとも。
      そして鶴坊よりもっとかわいい二人の子を持とうと。めでたしめでたし。

5.泥棒と若殿 … 「講談倶楽部」昭和24年12月号
    三年前に広いが安普請な屋敷に幽閉され今は貧乏この上ない暮らしをする若殿、
    成信とその古屋敷に盗っ人、伝九郎の、奇妙でユーモラス心温まるやりとり。
    「人を騙し人を憎み人からくすねたり奪ったりしながら、
    そうする彼らもそれほど恵まれはしなかったのだろう。
     ・・・今でもどこか世間の隅の方でそれぞれの苦しい生活に追われ、
    ときにつくねんと溜息でもついているの
    ではないだろうか。みんな本当はよき人たちなんだ」
    成信は、伝九郎の体の中に生きた世の中の匂いがついている、良いところも醜いところも、
    卑しさも清らかさもひっくるめた、正直なあるがままの人間の呼吸が感じられた。
    人間には身分のいかんを問わずそれぞれの責任がある、それぞれが各自の責任を果たしてこそ
    世の中が動いてゆく、と成信は領主となって一藩の家臣を束ね、
    領民の生活をやすんずる良き政治を執る覚悟を決めた。
    「いっちまうのか、信さん」、、、悲しむ伝九郎の声に人生の定めさみしさを感じさせる。

6.長屋天一坊 … 「講談雑誌」昭和25年5月号
    八代将軍吉宗の時代にあったという天一坊事件を、貧民長屋で起こった出来事に置き換えた、
    いわゆるパロディもん。禿、ごうつく、臼or色けち、人の、金と名声欲。       

7.ゆうれい貸屋 … 「講談雑誌」昭和25年9月号
    腕はいいが怠け者の職人弥六と、ゆうれいとなった辰巳の芸者染次が、
    ふたりで幽霊貸しし、一儲けしようじゃないかと云うあるよなないよなおとぎ話みたいな話。
    幽霊話しなのに滑稽そして人生この世のつらさ儚さやるせなさ描いている。
    上等な落語の如き趣あり面白かった。

8.雪の上の霜 … 「面白倶楽部」昭和27年3,4月号
    文武両道、取分け武芸に無類の腕を持ちながら、
    七年放浪の旅続ける浪人三沢伊兵衛。
    扶持を取り、道場を持ち門人があり、安楽に暮らす小室青岳。
    ふとしたことから出会った両者の生き様、考え方の違い。 
    青岳は己が娘千草を伊兵衛に嫁がせ跡取りにと切望するものの、
    「少しばかり度が過ぎはしないだろうか、、、
    ・・・正義感の強いのもいいが、雪の上に霜を加えるような努力は徒労でしょう」
    と青岳が信兵衛に。 伊兵衛の一種の性格悲劇とも云える生き方。
    現代に通じる。 実に深い。 お気に入り作品。
    武家ものみたいだが実は読み終えてみれば人情長屋な話し。

9.秋の駕籠 … 「講談倶楽部」昭和27年12月号」
    同じ家に住み喧嘩しても隣りに住まうという、駕籠屋の六助と仲次。
    喧嘩な場面が多いが、真っ正直が功を奏した、めでたしめでたしという話し。

10.豹 … 「アサヒグラフ」昭和8年9月
    現代もの。
    逃げた四本足の猛獣・豹に、気づけば側に二本足の女人と云う豹が。

11.麦藁帽子 … 「アサヒグラフ」昭和9年11月
    現代もの。
    ノスタルジック&ファンタスティックな物語.。 なかなか良い。
    この話が仕舞いにあることで、何か心日常に自然に復帰(笑)できるような。



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