旅のしおり
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Author:シュンちゃん
還暦。思えば遠くに来たもんだ。人の命はいつか必ず果てる。生きる軸足である山のほか、本にしおり挟むよに、趣くまま時折生きし証ここにつづる。齢ゆく者のボケ防止備忘録ブログです。適当におつきあいください。
   since 2008(H20) 8.28 



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読了 「開錠綺譚」 ほか – 2017.4.24(月)

秋びより - 20170424(月)

佐江衆一 「開錠綺譚」 読了。 新潮文庫 「江戸職人綺譚」 集録。
時は幕末慶応、江戸っ子天才錠前師三五郎一世一代の錠前破り物語、
時代背景キャンバスに、その内容、テンポ、職人気質、とても良かったです。


ほか
池波正太郎 「市松小僧始末」
藤原緋沙子 「秋つばめ―逢坂・秋」
岡本綺堂 「菊人形の昔」
岩井三四二 「蛍と呼ぶな」

感ずるところ違えど、それぞれの良さがありどれも読み応えありました。


余談ですが、
過日幽谷の地に独りきり。午前1時半に目が覚め2時間眠れなかったのですが、
その時に読んだ 「菊人形の昔」。 市子を生業とする女がふたり登場するのですが、
あーあのTPOで読み終えたことは、今思うとぞっとするわけでございます。
 
読了 「湯の宿の女」 ほか – 2017.4.14(金)

湯の宿の女 - 20170414(金)


平岩弓枝 「湯の宿の女」 読了。 表題含め十の話し(現代もの)が収められている。

殆ど作品らしい作品まだ書いてなかった無名とも云える彼女は、昭和34年の直木賞受賞により、有吉佐和子、曾野綾子両女史の才女ブームの波に乗せられ、27歳という若さでプロの作家として歩み始めることになったわけですが、本書はその翌年からの10年間ほど、つまり初期に書かれた作品群。 当時の氏と同年代、三十歳前後の様々な女性像を描き出している。 本人もこの間に、結婚、出産、転居、恩師の死、等人生の大きな節目をいくつも経験しているところから、無意識にリアル感も刷り込まれているものと思われます。

まーどれも似たり寄ったりな話しなんですが(失敬)、個人的に 「翳り」は良かったです。
そして氏の作品は時代ものが良い。と、改めて思わせてくれたところに本書の価値ありかな(笑)


読了 「夢の浮橋」ほか – 2017.4.6(木)

夏しぐれ - 2017.4.6(木)

横溝正史 「夢の浮橋」 読了。
氏の人気シリーズ、人形佐七捕物帳の一篇、実際の事件を元に書かれている。
訳あって佐七江戸を売り3年。 大阪と奥州に行った二人の子分も江戸に帰り話しが進む。
 
 永代橋墜落 ― とんだ災難は川崎屋のなさぬ仲 ―
 お玉が池の春や春 ― どろぼうの正体見たり灰かぐら ―
 仕立屋の恋 ― 今時そんなのはやらねえとよう ―
 無残命の裁ちばさみ ― 紙宇もとんだやつに見込まれたな ―
 艶文帯の封じ目 ― 七日ごとに線香をあげにきまさあ ―
 踏み外す浮き世の橋 ― うつくしい夢を見ていた清次郎 ―

先人たちの行いに運命左右されし者たちの物語。 遣る瀬無い。。。

ほか
平岩弓枝 「二十六夜待の殺人」 (御宿かわせみより)
藤原緋沙子 「ひぐらし」 (隅田川御用帳より) 
諸田玲子 「似非侍」
柴田錬三郎 「怪談累ヶ淵」

因果応報、自分の行い、あとからいろいろ来るよ、ってこと書いたものが多い。 
シバレンのは取り分け怖い。真夏、隣りに誰か置いて読むのが良いと思います。


角川文庫時代小説アンソロジーシリーズ、
「春はやて」 「夏しぐれ」 「秋びより」 「冬ごもり」 とあり、いろんなの楽しめます。


読了 「江戸の娘」 ほか - 2017.3.31(金)

江戸の娘 - 2017.3.31(金)

時代もん三作読み比べ

☆ 平岩弓枝 「江戸の娘」  
控えめな娘が何かことがあるとおきゃんな蔵前小町に。 
秘めたる女と男の心の通い合い。今の世のように直ぐにくっついたり離れたりしない。 
ありがちな意地っ張り同士の恋。 
女流作家ならではの感性、品の良さの中に、爽やかな風が吹き抜ける、そんな感が残った。

☆ 野村胡堂 「五月人形」
ご存じ、銭形平次捕物帳。
捕物としてなかなか話しがよくできてるし、
平次と子分ガラッ八のかけあいがお約束ながら小気味良く面白い。
そして全体が粋でサッパリ、良ろし。

☆ 岡本綺堂 「お照の父」
こちらも知ってる人は知ってるこの世界のバイブル、半七捕物帳から。
いやはや何とも表現が粋。
、、、あんまりどたばたして方々へ塵埃を立てねえ方がいい、とか、 
、、、そこらで蕎麦でも手繰ろう、などなど。
大正時代に描かれた半七物語が平成の世になっても版を重ねる、
流石、時代もん、捕物帳の元祖です。



さて明日から4月  四季巡りてまた春おとずれし
私の齢に 人生の春が巡り来ることはもうない が自然は巡る
だから人はいろんなもの背負いながらいろんなもの引きずりながら
それでも、何とか前をむいて生きてゆけるのかもしれません。


読了 「時雨のあと」 - 2017.3.26(日)

時雨のあと- 2017.3.26(日)

藤沢周平 「時雨のあと」 読了。表題含め七つの話しからなる。

「闇の顔」・・・捕物帳ものよりミステリアス、良ろし。
「果し合い」・・・部屋住み老人の過去と今の果し合い。
          人生とは切なく儚くも美しい。
「鱗雲」・・・女三人生き様三様。文章すっきり爽やか感残る秀作。

ほか
「雪あかり」 「時雨のあと」 「意気地なし」 「秘密」

70年代半ば、比較的初期の藤沢作品としては、細身骨太と云うか、
どの作品もムダがなく、さくさくっと楽しめるのが良かった。

読了 「霧の果て」 - 2017.3.17(金)

霧の果て- 2017 - 2017.3.17(金)

藤沢周平 「霧の果て」(神谷玄次郎捕物控) 読了。 八つの話しからなる連作捕物控。 
先般、岡本綺堂 「半七捕物帳」 を読み、藤沢作品にも捕物もんがあると云うことで読んでみました。

捕物控なのでミステリー、謎解き求め頁進めますが、そこは時代小説、その部分はやはり期待できなかったものの、神谷玄次郎と云う主人公の人物像がなかなか特異面白いのと、神田明神下の平次親分(銭形平次)にガラッパチ、黒門町の伝七親分にがってんの勘太がいるように、この北町奉行所同心玄次郎には銀蔵という名コンビな下っ引きがお約束的におり、いいオンナ情婦のお津世の存在共々安心して楽しめました。 また時折表わされる情景描写からは藤沢作品の格調の高さが香ってきました。


と、懐かしいので貼り付け
銭形平次


時代ものは重厚感があるし美しい、じっくり観るのも良ろし。

伝七捕物帳



読了 「僕たちの失敗」 - 2017.3.9(木)

僕たちの失敗 - 2017.3.9(木)

遠い昔に読んでひっかかってた石川達三「僕たちの失敗」読了、 
今から56年前、氏50代半ばの長篇作品・・・当時は長いとは思わなかったが^^; 

時代背景は昭和30年代日本が高度経済成長期に入り、食ってゆくには困らない頃。 
エリート官僚のたまごがカメラメーカーの工員に身を転じ、そこで出会った女性と三年間の契約結婚、
しかも別居・子はもうけない約束で、というが話しの柱。 

この小説は、私が高2の時の銀河テレビ小説 (主演、荻島 眞一、酒井和歌子)と、
幼なじみの I 野君が、このドラマをとても気に入ってた、という記憶とともにある。 
蛇足ですが、主題歌は五輪真弓 「落日のテーマ」
テレビドラマ 「高校教師」 の主題歌、森田童子 「ぼくたちの失敗」 とは何ら関係がありません。

さてさて結末や如何にですが、それは読んでのお楽しみであります。

因みに本書、ブックオフや本屋さんになかったので図書館から借りた全集で読みました、
字がめちゃ小さく! とても疲れました(>_<) 
昔の人はそんなに明るくない灯りの下でこんなちっちゃい文字読んでたのか?とか、
そう言えば文庫などの新装版は、最近結構字が大きくなってきてるな、などと思いました。

読了 半七捕物帳 「お文の魂」 ほか – 2017.2.23(木)

お文の魂 - 2017.2.23(木)

半七捕物帳 「お文の魂」 含め十二作品読了。
時代小説作家は沢山いるが、この作者岡本綺堂は明治五年の生まれなので、まだ江戸が色濃く残る街を自分の目で見、自分の耳で聞き、肌で感じただろうと思います。 そんな人が書いた時代もんてどんなものかなと思い読んでみた次第。

捕物帳ゆえ、推理,謎解きを期待想定して読み進めましたが、からくり,下手人はある瞬間にささっと解説されちまう(笑) そしてその筋の書溢れる今の世に読むには緻密性意外性に欠けること否めない…なので話しの内容については割愛。 しかしながら、話しのテンポの良さ筆っぷりスッキリ!「おいら江戸っ子でぃ!」がそのまま出てるよな小気味良さが残りました。 また作中のせりふ,言い回しが江戸情緒に富み何とも粋、洒落ている。当時の江戸っ子は旅を好まなかった。それは江戸が一番、他に行く必要が無いから、とどの話しかに書いてあったのも面白かった。 時代もんのルーツ辿る書として&落ちのない落語,古典と割り切れば、良ろしかと。

ほか
「石灯籠」 「勘平の死」 「奥女中」 「帯取の池」 「春の雪解」 「津の国屋」
「山祝の夜」 「槍突き」 「向島の寮」 「蝶合戦」 「筆屋の娘」

読了 「錯乱」 - 2017.2.16(木)

錯乱 - 2017.2.16(木)

池波正太郎 「錯乱」 読了。
真田の血を後世につなぐために、父や弟とは違った道を歩んだ真田信幸、
老いて持ちあがったお家相続問題。 それに信幸が手腕振るうと云ういわゆる真田もの。
敵のスパイや内通者を利用するという戦術…反間計と云うらしい…で、相手を追い詰めてゆく、
読み進めるに従い加速度的にドキドキ。 穏やかでそつのない奴ほど油断できない。 
最後みごとなどんでん返し、驚きのラストで幕が下りる。 でき過ぎな(笑)すばらしさでした。  

候補に上がること六回。 この作品で池波正太郎は直木賞を受賞している。

読了 「国を蹴った男」 ほか - 2017.2.13(月)

国を蹴った男 - 2017.2.13(月)

伊東潤 「国を蹴った男」 読了。
藤沢周平に一たびピリオド打ち最初に読んだのがこれ。

父、義元に比べ武より蹴鞠の名手で文化人な息子今川氏真と、
信長と延暦寺との間に運命を左右されしお抱え蹴鞠職人との交わりが
天下歴史を左右した、というような話し。 読み終わり品の良い爽やか感、良ろし。
「なかなかに世をも人をも恨むまじ 時にあはぬを身の科にして」  
生れし家 生まれし世が 違っていたなら、、、、、切ない。


そして、
笹沢左保 「赦免花は散った」 読了。
28年続いた「木枯し紋次郎」シリーズ記念すべき第一作。
忘れた位久しぶりに 「あっしには関わりのないことでござんす」 に、
♪どこかでだれかが~ と上條恒彦が歌ってたの思い出しました。
さすが長く続いた作品です。 何と言うか、、、
一本筋の通った骨のある、乾いた感じスッキリ感が好ましい名作だと、
また話しのテンポも良く、次読みたくなる、そんな心地良さが残りました。

読了 「半生の記」 - 2017.2.5(日)

半生の記 - 2017.2.5

藤沢周平「半生の記」読了。 タイトルどおり自伝もの。
「半生の記」「わが思い出の山形」に、細かな年譜が収められている。

氏は山形県に生まれたが25歳(昭和28年)から東京に移り住んでいる(きっかけは結核療養のため)。 前者二作は療養初期を除けばそのほとんどがその山形時代の記憶をつづっている。 文学に触れていった経緯のほか、百姓の子が上の学校になど行くもんじゃなかった話しとか、マントをクビに引っかけ高下駄はき脂が黒光りし破れかけた帽子を被ったバンカラが雄叫びあげていた、など当時のことを書いている。 

また東京暮らしの方が長くなった時、「自分はもう完全な東北人ではなくなってしまった」との思い、東北回帰に苛まれたか、東北を旅している・・・津軽・十三湖、青森・ねぶた、弘前の桜、岩手・渋民村、奥羽平泉、毛越寺の枝垂れざくら、など。 のちにこれは 「ふるさとへ廻る六部は」 というエッセイ集につながってゆく。

藤沢周平の、時代、環境、周辺を知るに外せない貴重な一冊でした。 さて、昨年から傾倒した藤沢作品。 長中短篇あれこれ都合170作品ほど読みました。 氏のことばの使い方、作風、空気感、少しは分かるようになりました。 なのでこれを区切りに一旦ほかの方の作品に目を向けてみようかと今思っています。

読了 「花のあと」 - 2017.1.26(木)

花のあと - 2017.1.26(木)

藤沢周平「花のあと」読了。 
市井もの五つ、武家もの三つ、都合八つの短篇からなる。
・・・「旅への誘い」を市井ものとすれば。

表題「花のあと」が取分け素晴らしかった。
藤沢作品にしては少ないながら、情景描写が言わずもがな美しい。 そして、
ばば(祖母)が孫に、自分が剣に通じし若かりし頃の事を物語の様に話し聞かせる
そんな様子を小説化したものだが、ことばの言い回し簡素ながら時にほっこりさせられる。 
短篇とは云え、格調高き品のある秀作だと思いました。
「疑惑」に「鬼ごっこ」もなかなか良かったです。

と、今日1月26日は藤沢周平の祥月命日。 死して20年。
69歳でお亡くなりになっておられるので今生きておられれば満89歳です。

読了 「夜消える」 - 2017.1.13(金)

夜消える - 2017.1.13

藤沢周平「夜消える」読了。 表題含め七つの短篇からなる市井もの。
江戸の裏店舞台に庶民の悲哀、時にユーモラスに綴っている、
人の心模様豊かに描かれ面白い、正に藤沢ワールド。 
読み終わり、人の世、人の生き方、ふと考えさせられる所も良い。 
そして80年代から90年代、作者熟練期に書かれた作品群なだけあって、
短篇ながらどれも骨格しっかり、話しがまとまり良く適度な力強さを併せ持つ、
完成度の高い一冊。 初期の頃のものに比べすっと入る(笑)
氏の市井ものに触れる入門の書として良いとも思いました。

読了 「早春」 - 2017.1.8(日)

早春 - 2017.1.7

藤沢周平「早春」読了。 おっと、新年らしいじゃない!(笑)
中身はと云うと、藤沢作品唯一の現代小説である表題 「早春」 (初出87年)に加え、
晩年の短編二つ(武家物・初出90年代)に、四つの随想が収められている。

藤沢作品にある程度親しんだのち、この現代小説に触れると、「あーなるほど~、藤沢周平が現代小説を書くとこうなるかぁ」と頷けました。 常用語で分かり易いし(^^) そして自然描写は時代物の様な光放ちませんし、全体的に奥ゆかしさしっとり感には乏しいものの、丁寧に読み進めると、中年男の無味乾燥な暮らしに心模様、やはり静かに描かれている。 もう叶いませんが、藤沢周平の現代物他にも読んでみたかった、そう思いました。

また、随想 「遠くて近い人」 では、長編の多い司馬遼太郎の作品は三作しか読みきってないとカミングアウト。興味がなかったわけじゃないが 「私は遅読人間」であると。 「一行一行を納得しないと前に進めない」 そして 「遅読のくせに読み始めると熱中する癖もあり、その間ほかの仕事は手につかなくなる」 と。かわいいじゃない。私も自慢できる(笑)遅読人間なので大先生もそうだったのか! と大いに共感、親近感が生まれました。
触れている司馬遼太郎 「ひとびとの跫音」 も読んでみたい。

読了 「龍を見た男」 - 2016.12.31(土)

龍を見た男 - 2016.12.31(土)

藤沢周平「龍を見た男」読了。
表題含めた市井もの八つに武家もの一つ、合わせて九つの短編からなる。
短編集ながら、藤沢中期の作品らしい安定感と落ち着きがあり、
またどれも比較的ストーリーしっかりしてて読み応えがありました。

取分け私のお好みは 「遠い別れ」 と 「失踪」
前者はかけ間違えたボタンが最後までつきまとう人の定めの不可思議さ、
後者はユーモア最高\(^o^)/& 三屋・・・より内容が残日録ぽくて良かったです。